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果てしなく続くジャズ習得への道。練習時間が圧倒的に足りないと自覚しながらも、なんとか習得出来れば!と悩み励んでいる方のお力になれるよう、 練習をどのように進めるか!何を考えて演奏を組み立てるか?に重点を置いています。アイデア満載の音楽講座。1歩上の演奏を目指す方を応援します!

■サイドスリップ
Homeジャズギター入門>アドリブ・マスタークラス/サイドスリップ

サイド・スリップとは、
ターゲットとなるコードに対して半音(もしくは全音)上下から滑りこむようにアプローチする手法です。

私自身は、この手法を最初に知ったのがキース・ジャレットの演奏を採譜していた時でした。
1度この手法を覚えるとジミーレイニーが好んで使用している事に気付きました。
そしてデイヴ・リーブマンの教本などで、サイドスリップという名前を知りました。



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■コルトレーン・チェンジ(1)
Homeジャズギター入門>アドリブ・マスタークラス/コルトレーン・チェンジ(1)

ここでは、コルトレーン・チェンジ(コルトレーン・マトリックスとも呼びます)
について説明をしていきます。

コルトレーン・チェンジとは ジョン・コルトレーンによって提唱されたコード進行で、
代表作は「Giant Steps」です。
この進行の登場により、代理和音を用いた楽曲の展開は1つの完成形となったように思います。
その先は「非機能的な和声の展開」へと繋がっていきます。

さて、コルトレーン・チェンジを学ぶには、
まず長3度の音のサイクルを学ぶ必要があります。
下記の図をご覧ください。
Cから長3度上はE、Eから長3度上はG#(Ab)、Abから長3度上はC。
長3度を3つ重ねると同じ音へと戻ってきます。
この図のように、4種類の長3度サイクルが出来上がります。


●それぞれのコードに対してドミナントモーションする7thコードを配置していきましょう。


コルトレーン・チェンジとは、
この長3度のサイクルを「右回り」つまりは、長3度下降する進行の事です。


名曲(・・・と呼べるかどうかは分かりませんが)
革新的だった楽曲「GIANT STEPS」ではこちらのサイクルを使います。


●Giant Steps(出だしの8小節)

ここで、コルトレーンはこの長3度下降サイクルをBキーから3小節進みます。
2段目はGキーから3小節進みます。
4小節目はGキーへの連結をスムーズにさせるためのツーファイブを配置しています。



コルトレーン・チェンジがどんな進行なのかを、理解出来た段階で
サイクルをトレーニングしましょう。
ここから先は、赤字の部分を音読してください。
ただ読むだけではなく、意味が理解できるように、私は進行を言葉で説明して記憶しています。

■準備段階(IIm7)を持たない進行
●Ex.1)長3度上行サイクル
長3度上行サイクルは、半音下の7thコードへ進みドミナントモーションする。

●Ex.2)長3度下行サイクル
長3度下行サイクルは、短3度上の7thコードへ進みドミナントモーションする。

■準備段階(IIm7)を持つ進行
●Ex.3)準備段階(IIm7)を持つ長3度上行サイクル
長3度上行サイクルは、増4度上下のマイナー7thコードへ進みツーファイブワン進行する。

●Ex.4)準備段階(IIm7)を持つ長3度下行サイクル
長3度下行サイクルは、全音下のマイナー7thコードへ進み、ツーファイブワン進行する。




●Ex.1)準備段階(IIm7)を持たない長3度上行サイクル
長3度上行サイクルは、半音下の7thコードへ進みドミナントモーションする。


●Ex.2)準備段階(IIm7)を持たない長3度下行サイクル
コルトレーン・チェンジがコレ!!
長3度下行サイクルは、短3度上の7thコードへ進みドミナントモーションする。


●Ex.3)準備段階(IIm7)を持つ長3度上行サイクル
長3度上行サイクルは、増4度上下のマイナー7thコードへ進みツーファイブワン進行する。


●Ex.4)準備段階(IIm7)を持つ長3度下行サイクル
参照楽曲:Have You Met Miss Jones
長3度下行サイクルは、全音下のマイナー7thコードへ進み、ツーファイブワン進行する。


コルトレーン・チェンジをマスターするには、
アドリブの練習をする前にこれらのコード・プログレッション・サイクルの練習を
徹底的にやっておく必要があるでしょう。





■コルトレーン・チェンジ(2)
Homeジャズギター入門>アドリブ・マスタークラス/コルトレーン・チェンジ(2)

次にコルトレーンはこの「長3度下降のコード進行」をスタンダードソングに当てはめていきました。
勿論、普通にこのようなコード進行があてはまるハズはありません。
そこで、コルトレーンは循環進行やツーファイブワン進行の解釈を広げました。
「自由な発想」の項を今一度、ご確認ください。

会社(IIm7)から目的地(IM7)への帰宅ルートを、大きく捉えて、
「最終的に目的である場所へ帰ることが出来れば、”どのようなルート”でもOK」としたのです。

コルトレーンの実験はこちらの盤で聴くことが出来ます。
幾つか例を見てみましょう。

●循環部分を丸々コルトレーン・チェンジへ変換させています。
上段がオリジナル進行です。
参照:Body And Soulのサビ
John Coltrane/Coltrane's Sound



●解決先を一旦、長3度上のキーへ進行させてから、
コルトレーン・チェンジ(長3度下降進行)させています。

上段がオリジナル進行です。
参照:The Night Has A 1000 Eyesのサビのツーファイブ。
John Coltrane/Coltrane's Sound



●コルトレーン・チェンジのゴール地点(赤丸)がマイナー化され、
そこからツーファイブして、上手く次のキーへ連結しています。
ここで説明するゴール地点とは3つキーへ展開した後に戻ってくるべき元のキーの事です。

上段がオリジナル進行です。
参照:Satellite(How High The Moon)
John Coltrane/Coltrane's Sound



●コルトレーン・チェンジのゴール地点が無くなり、
オリジナルコードへの連結コードを置くことにより、スムーズな展開を作っています。
ここで説明するゴール地点とは3つキーへ展開した後に戻ってくるべき元のキーの事です。

上段がオリジナル進行です。
参照:26-2(Confirmation)
John Coltrane/Coltrane's Sound


●属するキー(Eb)で大きく捉えてコルトレーン・チェンジをさせています。
最後は次のコードに連結させるために、コードを変化させています。

上段がオリジナル進行です。
参照:But Note For Me
John Coltrane/My Favorite Things


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